産廃収集運搬許可の費用を徹底解説|自分で申請と行政書士依頼を比較

つまり、自分でやれば10万円台前半、行政書士に任せれば20万円前後が一つの目安です。ここがブレるのは報酬と自治体数のせい。
この記事では、取得・更新・変更・廃止まで費用が発生する場面を時系列で整理し、個人・法人・複数自治体のケース別に金額を出します。私が10年以上、複数の都道府県で申請を代行してきた現場感も交えて書きます。
産廃収集運搬許可の費用が発生する場面の全体像

費用は「取得したとき一回きり」ではありません。許可は有効期限があり、会社の住所や役員が変われば届出や変更許可が必要になります。ここを見落とすと総額が膨らむ。
まずは、いつ・いくら出ていくのかを俯瞰しておきます。法定の申請手数料は全国一律です。
取得時・更新時・変更時・廃止時の費用を時系列で整理
産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請手数料は、都道府県知事許可ごとに81,000円です。更新は積替え保管を除く場合42,000円、変更許可は71,000円。廃止届の手数料はかかりません。
| 場面 | 手数料 | 発生のタイミング |
|---|---|---|
| 新規許可 | 81,000円 | 事業を始めるとき |
| 更新許可 | 42,000円 | 有効期限が来る前(おおむね5年ごと) |
| 変更許可 | 71,000円 | 取扱品目を増やすなど許可内容を変えるとき |
| 変更届・廃止届 | 手数料なし | 役員・住所変更や事業をやめるとき |
新規許可と更新許可・変更許可の手数料の違い
新規の81,000円に対し、更新は42,000円と約半額。一度許可を取った実績があるぶん、更新は安く設定されています。
ただし更新で積替え保管を含む場合は73,000円に上がります。変更許可は71,000円。「届」で済むのか「許可」が要るのかで、手数料が0円か71,000円かに分かれる点は注意です。
普通産廃と特別管理産廃で異なる費用
特別管理産業廃棄物(廃油や感染性廃棄物など)の収集運搬業も、新規許可申請手数料は81,000円で普通産廃と同額です。
差が出るのは手数料そのものより、講習会の種類と要件。特別管理は別カテゴリの講習修了が求められるため、受講料や日数がかさみます。取扱品目を欲張ると、その分コストも増える。
自分で申請する場合にかかる費用の内訳
自分でやる最大のメリットは報酬がかからないこと。ただし手数料以外に細かい実費が積み上がります。ここを甘く見ると「思ったより高かった」となる。

実際に窓口を回ると、印紙代だけでは終わりません。順に分解します。
申請手数料(収入印紙代)
新規なら81,000円。これは多くの自治体で収入証紙や納付書での支払いになります。1自治体あたりの金額なので、複数県にまたがるならその数だけ掛かります。
講習会の受講料・テキスト代・交通費の実費
許可申請には公益財団法人の講習会修了が要件です。ある申請案内では、新規講習の受講費用は通常申込31,000円、Web申込30,500円と提示されています。
これは公式の全国共通料金ではなく案内元の提示額ですが、おおむねこの水準です。会場まで遠ければ交通費・宿泊費も自腹。地方の方ほどここが重い。
住民票・登記事項証明書など書類取得の実費
前述のサムライ法務事務所の案内では、書類取得費用の例として次のような金額が挙げられています。役員が多いほど住民票などの枚数が増える点に注意。
| 書類 | 費用の例 |
|---|---|
| 納税証明書 | 1,200円 |
| 住民票の写し | 300円 |
| 登記されていないことの証明書 | 300円 |
| 履歴事項全部証明書 | 600円 |
郵送費・移動交通費など見落としやすい隠れコスト
正直、ここが一番ナメられます。書類を取りに役所を何度も往復する交通費、申請窓口への移動、補正で再提出する郵送費。チリも積もればで数千円〜1万円超になることも。
自分の人件費(後述)を別にしても、実費だけで新規はおよそ11万〜12万円台に着地する、というのが私の感覚です。
行政書士に依頼した場合の報酬相場と比較
代行報酬は法定費用ではなく、事務所ごとに自由に決められます。だから相場にばらつきが出る。安ければいいわけでもなく、見極めが要ります。

公開されている事務所価格を並べて、目安をつかみましょう。
報酬の平均額と地域・事務所規模による相場のばらつき
各事務所のサイトを見ると、新規の代行報酬例として80,000円、88,000円、110,000円といった価格が掲載されています。これは相場例であって公定価格ではありません。
| 事務所 | 報酬例 |
|---|---|
| 朝日中央綜合事務所 | 80,000円 |
| kyoka-sanpai(大阪) | 88,000円 |
| sanpai-web | 110,000円 |
報酬に手数料81,000円を足すと、新規の総額はおおむね16万〜19万円台。都市部の大手ほど高め、個人事務所はやや抑えめという傾向は実感としてあります。
積替え保管ありの場合の追加報酬と要件
積替え保管を設けると要件が一気に増えます。保管場所の図面、面積計算、近隣への配慮など書類が厚くなる。
前述のとおり更新手数料も42,000円から73,000円へ上がり、代行報酬も上乗せされるのが通常です。保管が本当に要るのか、先に事業計画と照らすことを勧めます。
見積もりの見極め方と相見積もりの取り方
見積もりを取るとき、私が読者にお願いしたいのは「総額と内訳を分けて出してもらう」ことです。報酬・手数料・実費が混ざった一括表示だと比較になりません。
相見積もりは2〜3社で十分。安さだけでなく、補正対応や追加費用の有無を確認してください。極端に安い見積もりは、後から積替え分や複数自治体分が別請求というパターンがある。
自分で申請するか行政書士に依頼するかの判断基準

これは費用だけで決める話ではありません。書類作成の手間と、あなたの時間の価値を金額に換算して比べるのが正解です。
私の立場を先に言うと、1自治体・普通産廃・積替えなしなら自分でも十分やれます。複数県や積替えありなら依頼した方が結果的に安い。
書類作成の手間と時間をどう考えるか
申請書一式は、車両情報、事業計画、財務関係、添付書類とそれなりのボリュームです。初めての人が補正なしで一発で通すのは正直難しい。
補正が入ると窓口を再訪し、審査がやり直しに近くなることもあります。書類仕事が苦にならない人なら挑戦の価値あり。
申請する都道府県と会社所在地の関係
よく聞かれます。「申請先が会社から遠いと不利ですか?」答えは、許可の可否には関係ありません。
産廃の許可は、積み込み場所と積み下ろし場所が複数の都道府県にまたがるなら、それぞれの県で申請が必要です。つまり所在地ではなく「どこで積んで、どこで降ろすか」で申請先が決まる。手数料は自治体数ぶん増えます。
時間コストを金額換算したトータルコスト比較
自分で申請すれば報酬の8万〜11万円は浮きます。ただ、書類作成・役所往復・講習で実働20〜30時間は見ておきたい。時給2,000円換算で4万〜6万円分の時間です。
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 81,000円 | 81,000円 |
| 講習会受講料 | 約31,000円 | 約31,000円 |
| 書類取得・実費 | 数千〜1万円台 | 数千〜1万円台 |
| 代行報酬 | 0円 | 80,000〜110,000円 |
| あなたの作業時間 | 20〜30時間 | ほぼ不要 |
| 金額合計の目安 | 約12万円前後 | 約16万〜19万円台 |
モデルケース別の費用シミュレーション
抽象論だと刺さらないので、具体的に三つ並べます。役員数や自治体数で総額がどう動くかが見えるはずです。

いずれも普通産廃・積替えなし・行政書士依頼を前提にしています。
個人事業として申請する場合の合計費用
個人事業主は登記事項証明書が不要なぶん、書類取得は住民票や登記されていないことの証明書が中心です。役員という概念がないので添付書類は少なめ。
手数料81,000円+講習約31,000円+実費数千円で、自分でやれば約11万〜12万円。これが個人の最小ラインです。
法人として申請する場合の合計費用
法人は履歴事項全部証明書600円に加え、役員全員の住民票や登記されていないことの証明書が要ります。取締役が3名なら、その人数ぶん書類代が増える。
法人の自力申請でおおむね12万〜13万円台。役員が多いほど書類取得費が積み上がります。
複数自治体に同時申請する場合と割引の活用
| 申請先 | 手数料合計 |
|---|---|
| 東京都のみ | 81,000円 |
| 東京都+埼玉県 | 162,000円 |
| 東京都+埼玉県+神奈川県 | 243,000円 |
| 東京都+埼玉県+神奈川県+千葉県 | 324,000円 |
手数料は自治体数に比例して増えますが、代行報酬は事務所によって2件目以降を割引する例があります。複数県をまとめて依頼するなら、この割引の有無を必ず確認してください。
費用を抑えるための実践的な節約テクニック
手数料81,000円は法定なので値切れません。削れるのは報酬と実費、そして時間です。現場で効いた方法を挙げます。

複数自治体同時申請の割引を使う
前述のとおり、2件目以降の報酬を割り引く事務所があります。隣接県でほぼ同内容の申請なら、1社にまとめると報酬の重複が省けて効率的です。
自社作成と一部外注を組み合わせる
私が個人的に勧めるのは、書類収集や記入は自社、難所だけ専門家に確認、という併用です。事業計画や積替え図面など落ちやすい部分だけ見てもらえば、報酬は抑えつつ補正リスクを下げられる。
フルパック依頼が必ずしも正解ではありません。手間を惜しまない会社ほど、この折衷案が効きます。
支払い時の注意点と資金繰りのリスク
ここは慎重に。申請手数料は、不許可になっても返還されません。81,000円は審査を受ける対価であって、許可の対価ではないからです。
だから欠格要件のチェックと書類の精度が、そのままお金を守ることになる。準備が甘いまま出すのが一番もったいない。
許可取得後にかかる費用と費用対効果

取って終わりではありません。更新・変更の手数料に加え、車両表示や帳簿といった地味なランニングコストが続きます。
とはいえ、許可があるから受けられる仕事の幅を考えれば、回収は十分見込めます。
許可更新・登録事項変更の費用
許可はおおむね5年ごとの更新で、更新手数料は積替えなしで42,000円(積替えありは73,000円)。役員や住所の変更は変更届で対応でき、手数料はかかりません。
一方、取扱品目を増やすような中身の変更は変更許可となり71,000円。届と許可の線引きを誤らないことが、無駄な出費を防ぎます。
車両表示・帳簿管理など継続的なランニングコスト
許可後は、運搬車両への表示(会社名・許可番号など)や、産業廃棄物の運搬実績を記録する帳簿管理が求められます。
金額自体は大きくありませんが、表示シールの作成や記録の手間が継続的に発生します。怠ると行政指導の対象になり得る点が、ある意味で一番のコストです。
許可取得で増える受注・売上との投資回収の考え方
新規総額が仮に18万円だとして、許可がないと受けられない収集運搬の継続契約が1件取れれば、月の売上で回収できるケースは珍しくありません。
費用を「コスト」ではなく「受注の入場料」と捉えると判断しやすい。元請けとの取引条件に許可が必須、という現場は今も多い。
産廃収集運搬許可の費用に関するよくある質問
窓口や相談でよく出る、費用まわりの疑問をまとめました。

よくある質問
最後に一言。費用で迷ったら、まず申請先が何自治体になるかを確定させてください。手数料はそこで決まります。そこから報酬と実費を足せば、あなたの総額が見えてきます。
