産業廃棄物収集運搬業の許可とは?申請の流れと不要なケースを解説

- 産業廃棄物収集運搬業を事業として行うには、都道府県知事(政令市域は政令市)の許可が必要。
- 新規許可の申請手数料は81,000円が案内されている。
- 許可の有効期間は原則5年、優良認定を受けると7年。
- JWセンター(日本産業廃棄物処理振興センター)の講習会修了証の提出が必須。
- 自社の廃棄物を自分で運ぶ場合は、収集運搬業の許可は不要。
産業廃棄物収集運搬業の許可の結論

他人の産業廃棄物を運んでお金をもらうなら、許可は必須です。例外はほとんどありません。
許可権者は原則として都道府県知事です。北九州市や福岡市のような政令市の区域で運ぶ場合は、その市の許可が関係します。
私が現場でいつも念を押すのは「収集する場所」と「運び込む場所」の両方を見ること。両者の都道府県が違えば、それぞれの許可権者に申請が必要です。ここを見落とすと、運搬の途中で無許可になってしまいます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 許可権者 | 原則として都道府県知事(政令市域は政令市) |
| 新規申請手数料 | 81,000円 |
| 有効期間 | 原則5年(優良認定で7年) |
| 必須書類 | JWセンター講習会の修了証 ほか |
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このコーナーでは、私が実務で「ここをつまずく人が多い」と感じた論点を中心に書いていきます。

許可制度は条文を読むだけでは見えにくい部分が多い。例えば、申請窓口が都道府県本体ではなく産業資源循環協会などに委託されているケースがあります。電話して初めて「うちじゃなくて協会へ」と言われ、戸惑う方は珍しくありません。
だからこそ、申請前の窓口確認をいつもおすすめしています。地域ごとの運用差を、実例ベースで補足していきます。
1. 産業廃棄物収集運搬とは
産業廃棄物収集運搬とは、事業活動で出た産業廃棄物を、排出された場所から処分・再生する施設まで運ぶ行為です。
ここで大事なのは「収集運搬」と「処分」が別物だということ。産業廃棄物処理業は収集運搬業と処分業に分かれていて、収集運搬業の許可だけでは処分(焼却・破砕・埋立など)はできません。
運ぶ会社と処理する会社が別、というのは実務では普通の構図です。両方やりたいなら、両方の許可がいります。
産業廃棄物とは

産業廃棄物とは、事業活動にともなって生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた種類のものを指します。
家庭から出るゴミは一般廃棄物で、扱いがまったく別です。会社の事務所から出る紙くずでも、種類によって産廃か一般廃棄物かが分かれるため、混同しやすいところ。
汚泥、廃プラスチック、金属くず、がれき類など、産廃の種類ごとに必要な許可品目が決まります。許可は「運べる品目」が限定される、という点を覚えておいてください。
マニフェストとは
マニフェストとは、産業廃棄物が適正に運ばれ処分されたかを追跡するための管理票です。

排出した事業者が交付し、運搬業者・処分業者が処理の各段階で記録を残していきます。最終処分まで終わったことを、排出事業者が伝票で確認する仕組みです。
私の経験上、許可を取った後に一番トラブルになりやすいのがマニフェストの記載漏れです。許可と運用はセット。許可だけ取って安心、では現場が回りません。
2. 産業廃棄物収集運搬業許可
産業廃棄物収集運搬業の許可を取るには、講習会の受講・経理的基礎・欠格要件への非該当・適切な運搬施設、という要件を満たす必要があります。
なかでも飛散や流出を防ぐ運搬施設は実務で見落とされがちです。フタや覆いのない車両では、品目によって認められないことがあります。
申請区分は新規許可・更新許可・変更許可の3つ。許可後に運ぶ品目や車両を増やすなら、変更の手続きが必要になります。
| 申請区分 | 手数料 |
|---|---|
| 新規許可 | 81,000円 |
| 更新許可 | 42,000円 |
| 変更許可 | 71,000円 |
なお、手数料や運用は自治体ごとに整理されることがあるため、申請先の最新の案内で必ず確認してください。
許可申請の流れ

許可申請は「講習会の受講→書類準備→申請→審査→許可」という流れで進み、審査は3か月程度を見ておくのが現実的です。
審査期間は都道府県によって異なります。私が関わった案件でも、自治体ごとに体感のスピードがかなり違いました。仕事の開始時期から逆算して、余裕を持って動くのが正解です。
更新の場合は、満了の2〜3か月前までに申請する運用が紹介されています。許可が切れると運搬を止めざるを得ないので、私はいつも更新を最優先のスケジュールに置いています。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | JWセンターの講習会を受講し修了証を取得 |
| 2 | 欠格要件・経理的基礎・施設要件を確認 |
| 3 | 必要書類をそろえ、申請窓口へ提出 |
| 4 | 審査(3か月程度/都道府県により異なる) |
| 5 | 許可証の交付 |
埼玉県では、令和8年4月1日から(特別管理)産業廃棄物収集運搬業(積替え保管を除く)の申請・届出で、商業・法人登記事項証明書の添付が不要になります。書類が一つ減るのは、申請する側としては素直にありがたい変更です。
3. 産業廃棄物収集運搬業許可が不要な例
許可が不要なのは、ざっくり言えば「他人の廃棄物を業として運んでいない」場合です。

代表的なのが、自社の産業廃棄物を自分で運ぶケースと、再生利用が目的のケース。ただし「うちは自社だから大丈夫」と思い込んで、実は他社分も運んでいた、という落とし穴があります。
判断に迷ったら許可を取る方向で考える。これが私の基本スタンスです。無許可営業のリスクは、手数料81,000円とは比べものになりません。
自社の産業廃棄物の収集運搬
自社が排出した産業廃棄物を、自社で処分施設まで運ぶ場合、収集運搬業の許可は不要です。
ここでの「自社」は、あくまで自分が排出事業者であることが前提です。グループ会社の廃棄物を運ぶ、下請けとして他社の廃棄物を運ぶ、といった場合は他人の廃棄物にあたり、許可が必要になります。
許可がいらない場合でも、運搬中の飛散・流出防止やマニフェストの管理など、適正処理のルールは当然守る必要があります。
再生利用目的の産業廃棄物の収集運搬

再生利用を目的とした一定の収集運搬は、許可が不要とされる場合があります。
ただし、これは「再生するつもり」と口で言えば通るものではありません。再生利用の認定や指定など、制度上の枠組みに乗っていることが前提です。
正直に言うと、ここは自己判断が一番危険な領域です。私なら必ず申請先の自治体に事前確認します。「再生だから許可不要」と勝手に判断して運び、後で指摘されるケースを何度か見てきました。
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許可の取得後に役立つのは、廃棄物の分類とマニフェスト運用の知識です。

特に「混合廃棄物」は現場で迷いやすいテーマ。安定型と管理型の違いを理解していないと、運搬先や処分方法を誤りやすくなります。
- 産業廃棄物と一般廃棄物の違い:会社のゴミでも一般廃棄物に分類されるものがある。
- 混合廃棄物(安定型・管理型)の違い:運搬先と処分の前提が変わる。
- マニフェスト運用:許可取得後の実務トラブルの大半はここで起きる。
許可は入口にすぎません。運用まで含めて整えると、行政の立入りでも慌てずに済みます。
よくある質問
相談現場で実際に多い質問を、出典で確認できる範囲でまとめました。
よくある質問
最後にひとつ。許可は「取って終わり」ではなく「運用して維持する」もの。迷ったら自己判断せず、申請先の自治体に一本電話を入れてください。それが一番の近道です。
